米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の埋立の賛否を問う県民投票を巡り、宜野湾市議会(上地安之議長)は4日、与党側が提出した県民投票に反対し、普天間飛行場の早期返還などを求める意見書を賛成多数で可決した。賛成15人、反対10人だった。県民投票に反対する意見書の可決は石垣市に続き2例目。市議会では県民投票の実施に伴う関連予算案も否決される見通し。
意見書は県民投票条例について「普天飛行場の原点である危険性の除去について全く明記がされておらず、市のど真ん中にある飛行場の危険性や騒音問題などで長年苦しんでいる市民が置き去りにされ、危険性の除去について県民の意思を示すものではない」と指摘。また投票が賛否以外の選択肢がないことについて「多様な県民の意思を表すことに対し配慮が欠ける」と批判した。
約5億5千万円の税金が使われることや、「辺野古県民投票の会」の請求要旨が「普天間飛行場の固定化につながる最悪のシナリオに全く触れていない」などとし、強い憤りを示した。その上で、国、県、市で構成する普天間飛行場負担軽減推進会議の早期再開を求め、一日も早い飛行場の閉鎖・返還を強く要請した。
県民投票条例は市町村が投開票などの事務を行うと定めており、首長は協力する義務を負う。議会が予算を否決した場合でも首長による専決処分で予算を成立することができるが、松川正則市長は「どういった形で対応ができるのか、さまざまな手法を検討したい」と慎重な姿勢を示した。
意見書には、議長を除き与党会派の絆輝クラブ9人、絆クラブ3人、公明党3人が賛成。野党会派の結・市民ネットワーク5人、日本共産党1人、社民党1人、中立会派の共生の会3人が反対した。意見書の宛て先は県知事。