石垣市平得大俣地区への陸上自衛隊配備を問う住民投票条例の制定を目指す「石垣市住民投票を求める会」の金城龍太郎代表ら5人が6日、市役所に中山義隆市長を訪れ、住民投票の実施に協力を求めた。中山市長は意見交換後、報道陣の取材に対し「市議会の大勢としては(条例制定に)賛成する意見が多い気がする」と述べ、市議会に住民投票条例案が提案された場合、可決される可能性が高いとの見通しを示した。
意見交換は中山市長の要請で実現した。金城代表は住民投票について「島内で(陸自配備を)考える大きなきっかけになればいい」と期待。「配備は国防が目的で、平得大俣に配備することは手段でしかない。手段にはたくさんアイデアがあってもいい」と述べ、平得大俣地区以外の選択肢も検討すべきとの考えを示した。
住民投票の実施が決まれば、投票率を上げるためのシンポジウムなどを企画する方針も明らかにした。
中山市長は、地方自治法に基づく住民投票条例制定の請求は尊重する考えを示した上で「石垣の賛成、反対だけで日本全体の安全保障に影響を及ぼす判断をするのは、ふさわしくない」と述べ、安全保障問題は住民投票にそぐわないと指摘。ただ同会の活動については「若い人が政治に関心を持って行動するのはいいことだ」とエールを送った。
意見交換に先立ち、同会メンバーは市長の前で、住民投票の気運盛り上げに向けた歌を披露した。
同会は地方自治法で定められた条例制定請求に必要な数(有権者の50分の1以上)を大きく上回る約1万5千筆の署名を集め、4日、市選挙管理委員会に提出した。有効署名数の確定後、中山市長に署名を提出して住民投票条例制定を請求する。
その場合、中山市長は早ければ1月にも臨時議会を開き、住民投票条例案を提案。可決されれば、住民投票が実施される。