県議会(新里米吉議長)12月定例会の一般質問が6日始まり、島袋大氏(自民党)、花城大輔氏(同)、新垣新氏(同)、中川京貴氏(同)、具志堅透氏(同)、座波一氏(同)、又吉清義氏(同)が登壇した。初日は米軍普天間飛行場の辺野古移設阻止に向け、知事に工事の規制権限を与える「県土保全条例」改正を県が検討していることについて野党から「辺野古基地建設や自衛隊基地建設を狙い撃ちして阻止する目的で改正するなら、まともな行政がやることではない」(島袋大氏)と批判する声が上がった。玉城知事が訪米を優先し、自民党の沖縄振興調査会を欠席したことを疑問視する声も出た。
県土保全条例の改正について謝花喜一郎副知事は、県土を保全するには、国の開発行為であっても許可を必要とすべきとの認識を示した。
玉城デニー知事が11月11日から15日までの訪米に伴い、同13日の沖縄振興調査会を欠席したことについて島袋氏は「訪米して何の成果があったのか。税金のむだ遣いをするより、東京で沖縄予算や税制の必要性を説明するほうがよほど県民にとって意味がある」と批判した。
辺野古移設を問う県民投票条例の制定を直接請求した団体が、県民投票に反対する意見書を可決した石垣市議会を訪れ、損害賠償請求訴訟の可能性を指摘したことについて又吉氏は「脅しだ。異常ではないか」と指摘した。池田竹州知事公室長は「私たちがそういったことを仕掛けている事実はない」と応じた。
具志堅氏は玉城知事が知事選の討論会で、辺野古移設後に米軍輸送機オスプレイが100機配備されると発言したことについて「防衛省の判断では不可能。フェイクニュースだ」と追及。玉城氏は「森本敏元防衛相の著書の記述を引用し発言した」、謝花副知事は「情報をしっかり提供したい」と述べた。
座波氏は吉田勝廣政策調整監が基地反対活動を行う刑事被告人を支援していると指摘。吉田氏は勤務のあった日の昼休みに刑事被告人の裁判に関する集会に出席していたことを認めたが、問題はないとの認識を示した。
国連が沖縄県民を先住民族であるとする勧告を出したことについて花城氏は「当事者である県が何も発信しないのは誤ったメッセージを送る」と県の認識をただした。
玉城知事は「自己決定権が国際社会で広く認められるべきと主張するのは何ら間違った手法ではない」と述べたが、県民が先住民族か否かは議会で議論されていないとして明言を避けた。