与那国町議会(前西原武三議長)12月定例会本会議が13日開かれ、辺野古米軍基地建設のための埋め立てを問う県民投票の管理費用255万円を一般会計補正予算から削除する与党の修正動議が5対4の賛成多数で可決された。市町村議会が県民投票の予算を否決するのは県内初。外間守吉町長は今後の対応について「再議に付すことを考えているが、どうするかはここ数日内に決めたい。行政全体の流れに背くことはできない」と述べ、県民投票に協力していく考えを示した。
県民投票は来年2月24日に実施される。修正動議は与党の嵩西茂則氏が提案。与党の金城信利氏は賛成意見として「普天間基地の辺野古移設について賛成、反対の二択だけで、普天間基地の危険性除去については触れられていない。客観的、中立的なものではない」と話し、県民投票実施について否定的な見解を表明した。
野党の田里千代基氏は「辺野古移設反対を公約に掲げた玉城デニー知事が当選したが、政府はこの民意を認めていない。いま一度、民意を示すため県民投票に乗るべきだ」と修正動議に反対意見を述べた。
地方自治法によると、地方自治体の首長は否決された予算、条例などについては議会に対して再議に付すことができる。県が義務的経費としている県民投票管理費用を巡る修正動議の場合、再議の際には出席議員の過半数の賛成があれば可決される。
町議会では再議でも再び修正動議が可決され、県民投票の予算が削除される可能性が高い。この場合、最終的には町長の判断で執行できるとされている。再議は議会から首長への通達後10日以内の実施が求められる。
これに対して金城氏は「修正動議の結果のいかんにかかわらず、県民投票実施に対して反対であることの意志を示すことが重要」と話した。