輪禍 過去最悪を更新 ヤマネコ事故が9件目

 環境省那覇自然環境事務所(東岡礼治所長)は14日、ことし9件目となるイリオモテヤマネコの交通事故が発生したことを発表した。過去最悪となった8件を更新した。
 同事務所によると、12日午後2時35分ごろ、西表島西部の祖納地区の与那田橋入り口付近で、ヤマネコが飛び出してきて交通事故を起こしたと地元住民から通報があった。連絡を受けた西表野生生物保護センター職員が現場を捜索したところ、付近の茂みでうずくまっているヤマネコを発見。その後、捕獲し保護センターで診察・治療を行った。事故個体はメスの成獣で体重2・720㌔。
 事故発生時の状況は、地元の人が車を時速40㌔で運転中、歩道のヤシの木の陰から、ヤマネコが飛び出して接触した。
 ヤマネコは県道中央で倒れ、右耳付近から出血。事故当事者が歩道側へ移動させた後、ヤマネコが意識を取り戻して山側に逃げた。現在は、収容時と比べて回復傾向にあるという。
 同事務所は「不慮の事故が発生しても対応が早ければ受傷個体の保護・収容、さらには野生復帰につながる事例もある」とし、安全運転と事故後の連絡を求めた。
 傷病、事故個体を発見した場合は、環境省西表野生生物保護センターまで(℡0980・85・5581)。

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