米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設で政府が土砂投入を開始して一夜明けた15日午前、玉城デニー知事は移設先の米軍キャンプ・シュワブゲート前を訪れ、反対派の集会に参加した。座り込む約500人を前に知事は「対話の気持ちはこれからも継続していく。しかし対抗すべき時は対抗する。勝つことは難しいかもしれないが、絶対に諦めない」と激励した。土砂投入現場の周辺も視察し「県として取り得る対抗手段はしっかり講じていく」と記者団に語った。
集会で玉城知事は、土砂投入の開始について「耐え難い日を迎えなくてはならなかった」と振り返った。「私たちは決してひるんだり、恐れたり、くじけたりしない。気持ちを一つにして頑張ろう」と呼び掛けた。
反対派のリーダーで沖縄平和運動センターの山城博治議長は「凄まじい政府の違法な工事を目の当たりにし、心が折れ、涙も枯れそうになるが、知事が私たちを激励に来くれた」と感激。有田芳生参院議員や赤嶺政賢衆院議員らも参加し「沖縄を返せ」を大合唱、ガンバロー三唱で気勢を上げた。
玉城氏は土砂投入現場周辺の視察後、記者団に「現場に来ると、この異様さに胸をかきむしられるような気持ちにさせられる」と不快感を表明した。
岩屋毅防衛相が、早ければ2022年度とされる普天間飛行場の返還は困難との認識を示したことには「いつになったら普天間は返るのか。民主主義国家として、とても認められることではない」と反発した。
県は、埋め立てに使う土砂の採取の規制強化や県民投票のほか、海底に存在が指摘される軟弱地盤の改良工事を巡る知事権限の行使など、対抗策を検討する。
岩屋氏は辺野古移設に関し「日米同盟のためではない。日本国民のためだ」と述べ、推進する考えを改めて示した。15日、視察先の北海道千歳市で記者団に語った。