議会否決なら実施せず 辺野古県民投票で石垣市長

 辺野古米軍基地建設のための埋め立てを問う県民投票をめぐり、石垣市の中山義隆市長は17日、市議会が予算案を否決した場合、県民投票を実施しない考えを示した。県内では与那国町や浦添市などの議会が県民投票の予算案を否決しており、他市町村の今後の動向にも影響を与える可能性がある。県は否決された予算案を再議に付し、首長の判断で県民投票を実施するよう求めているが、中山市長は「再議に付すかは、さまざまな検討をした上で考えたい」と述べるにとどめた。

 市議会一般質問で長浜信夫氏と宮良操氏が県民投票を取り上げ、中山市長の対応をただした。
 地方自治法によると、議会が義務的経費を否決した場合、首長は再議に付さなくてはならず、再度否決されても「原案執行権」を行使し、専決処分で予算を支出できる。中山市長は県民投票の予算案が義務的経費が否かについて「市町村が義務でないとみなしても構わないと認識している」と明言を避けた。
 県民投票の予算が否決された場合について長浜氏は「市長は県民投票を実施すべきだ」、宮良氏は「市長は再議に付し、議会を解散してでも市民や県民の権利を守るべきだ」と求めた。
 中山市長は「再議に付して同じように否決された場合は、私は議会の判断を重視したい。原案執行権は行使しない」と明言した。
 県民投票が辺野古移設と普天間飛行場(宜野湾市)の危険性除去を切り離し、辺野古の埋め立てのみを問う内容になっていることを指摘。「普天間の固定化につながる恐れがる。宜野湾市議会も反対の決議をしている。私自身もいささか疑問を持っている」と述べた。
 宮良氏は「市民、県民の権利を奪ったということであれば、損害賠償請求になる可能性がある」と市長の対応を疑問視。中山市長は「(訴訟が)確定しているわけではない」と反論した。
 石垣市議会は9月定例会で県民投票に反対する意見書を可決。今月25日に県民投票の予算案を盛り込んだ一般会計補正予算案を採決するが、賛否はほぼ拮抗(きっこう)している。与党は否決を目指す方針。

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