米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設で、政府が埋め立て土砂の投入を14日に開始したことを受け、県議会は20日の11月定例会最終本会議で、速やかに作業を中止するよう求める意見書を賛成多数で可決した。意見書に反対した自民党は「いったんは合意した移設を進め、普天間飛行場の危険性を速やかに除去することが賢明だ」と主張した。
意見書は「土砂投入の強行は、法をねじ曲げ、民意をないがしろにしたもので法治国家として決してあってはならない」と政府を批判した。
玉城デニー知事が9月末の知事選で辺野古移設反対を掲げ、政権支援候補に約8万票の差をつけて当選したことに触れ「県民の民意を無視し、国の考えに従えと言わんばかりの工事強行は、住民自治を破壊する暴挙だ」とも指摘した。辺野古移設の断念と、普天間飛行場の即時運用停止も併せて求めた。共産、社民両党を中心とする与党会派が同日提出した。
反対討論を行った末松文信氏(自民)は、工事は合法的に進んでいると強調した。照屋守之氏(同)は、意見書が対話解決の後押しになるのかと疑問視した。
賛成した渡久地修氏(共産)は「辺野古移設か普天間固定化かに問題がすり替えられた」と訴えた。
当初、意見書では辺野古沿岸への土砂投入について「住民自治を破壊する蛮行」と記述。山川典二氏(自民)は「県議会の品位を汚す言葉だ。対話路線に水を差す」と指摘し、文言は「暴挙」に修正された。