読書を通した子どもの情操教育に尽力した宮里テツさん(88)に対し、石垣市教育委員会は21日、市教委で文部科学省の2018年度社会教育功労者表彰の伝達表彰を行った。
宮里さんは祖国復帰と同時に本土の研究団体の研究会に参加し1973年、読書を通して子どもの情操教育を推進するため、「八重山子どもの本の会」を発足。母子読書、読み聞かせや絵本の教育などを説き、11年余に渡り意欲的に指導した。このほか、竹富島や西表島にも支部を結成。各地で啓発活動を展開した。
伝達表彰を行った石垣安志教育長は「宮里さんが蒔かれた種は文庫連として引き継がれている。女性の地位向上にも務めた。時代を先取りした育児環境づくりの賜物だ」など功績を讃えた。推薦したのが市教委ということもあり、「先生への小さな恩返しになれば」と話した。
宮里さんは「これまで歩んだ道のりを教育長に聞かされたが、大変恐縮です」と感謝。「(教員を)42年間務めたのは元気で健康だった証」と振り返り、「社会教育を頑張ろうという気持ちだった。みんなと一緒に楽しく過ごしたことを幸せに思う」と感想を述べた。
出版した著書は7冊。絵本『テッちゃん先生の十五年戦争』は紙芝居ともなっている。