「辺野古米軍基地建設のための埋め立て」の賛否を問う県民投票に反発する動きが拡大している。宜野湾市の松川正則市長は25日、市議会が二度にわたって予算案を否決したことを挙げ、県民投票を実施しない考えを表明。県内で最初に県民投票に反対する意見書を議決した石垣市議会も、予算案を否決した。中山義隆市長は今後の対応を慎重に検討する考えを示しているが、県民投票を実施する可能性は低いと見られる。県民投票を拒否する自治体は今後も増える可能性があり、県民投票は来年2月24日の実施を前に、早くも有名無実化しつつある。
松川市長は「県民投票の結果によっては、普天間飛行場の『固定化』につながる懸念が極めて高いと言わざるを得ない。普天間飛行場を掲げ、9万8千人余りの市民の生命、財産を守る立場にある宜野湾市長として、熟慮に熟慮を重ねた結果の決断だ」と強調した。
予算案を否決した議会での議論を見ると、今回の県民投票の欠陥として➀県民投票の設問に、普天間飛行場の危険性除去に関する言及がない➁「賛成」「反対」の二択では複雑な民意をすくい取れない➂一自治体で実施される県民投票で、日本全体の安全保障問題を問うべきではない―などという点が指摘される。