宜野湾市の松川正則市長は25日、市役所で記者会見し「辺野古米軍基地建設のための埋め立て」の賛否を問う来年2月の県民投票を実施しない意向を明らかにした。県内41市町村の首長で不参加を表明したのは宮古島市の下地敏彦市長に次いで2人目。米軍普天間飛行場の地元である宜野湾市が県民投票を実施しなければ、県民投票の意義が大きく揺らぐことになりそうだ。この日は石垣市議会が県民投票の予算案を賛成少数で否決した。
宜野湾市役所で記者会見した松川市長は「市議会の意思は極めて重い。大変厳しい苦渋の決断。県民投票の結果によっては普天間飛行場の固定化につながる懸念が高い。市民の生命、財産を守る立場にある市長として熟慮に熟慮を重ねた結果を重ねた結果だ」と述べた。「議会との信頼関係は不可欠で、意に反しての実施は致しかねる」とも指摘した。
県民投票条例が広報や情報提供に際して中立性を求めているにもかかわらず、玉城デニー知事が15日、普天間飛行場の移設先である辺野古で反対派の集会に参加したことについて、「条例に抵触しているのではないか。非常に憤慨している。これだけ厳しい思いをしているのに配慮もないのか」と厳しく批判した。
宜野湾市議会は20日、関連予算案を賛成少数で否決。松川市長が議決のやり直しを求めて再議となったが、再び否決された。
石垣市議会も25日、県民投票予算案を否決したが、中山義隆市長は県民投票の実施について「慎重に検討したい」と最終判断を先送りした。