「辺野古米軍基地建設のための埋め立て」の賛否を問う県民投票をめぐり、石垣市議会(平良秀之議長)は25日の12月定例会最終本会議で、投開票に必要な費用を盛り込んだ一般会計補正予算案を賛成少数で否決した。中山義隆市長は直ちに再議に付したが、市議会は再否決した。閉会後、中山市長は報道陣に「議会の判断は重く受け止めたい」と述べたが、地方自治法に定められた原案執行権を行使し、独自の判断で予算を支出するかどうか最終判断は先送りした。
1回目の採決を前に反対討論した与党の長山家康氏は「普天間飛行場の危険性除去に触れていない中で、賛成と反対の二択だけでは県民の思いを表現できない。当事者である宜野湾市議会、辺野古区の行政委員会も反対の意思を明確にしている」と指摘。仲間均氏は「石垣市は尖閣諸島を行政区域に抱え、中国の脅威が現実味を帯びている。日米同盟、軍事力強化による抑止力が平和の礎(いしずえ)だ」と強調した。
賛成討論した前津究氏は「今こそウチナーンチュが心を一つに、賛成か反対か意思表示すべきだ。市議会の良識が問われている」、新垣重雄氏は「県民投票に反対するのは、民意を圧殺する暴挙だ」、大浜明彦氏は「県民が意思表示しようとしていることを邪魔してはいけない。民主主義の冒涜(ぼうとく)だ」と訴えた、
市議会の県民投票に反対する意見書には賛成したが、その後方針転換した箕底用一氏は「県議会で予算を通した以上は、しっかりと執行すべきだ」と主張した。
採決では反対11人、賛成9人。当初、与党から箕底氏とともに賛成の意向を示していた後上里厚司氏は退席した。
否決を受け中山市長は、補正予算案を直ちに再議に付した。理由として、県が市町村に対し、県民投票の費用を義務費だと通知していることを挙げた。
2回目の採決を前に、野党が出した無記名投票実施の要求を賛成少数で否決。井上美智子氏と箕底氏が賛成討論したあと採決したが、結果は1回目と変わらなかった。