カンムリワシ事故死最悪 今年8件、運転に注意を 石垣島

万勢岳のカンムリワシ(資料写真)

 環境省石垣自然保護官事務所は27日、石垣島で今年、国の特別天然記念物カンムリワシの交通死亡事故が8件に達したと発表した。記録が残っている2010年以降最悪の件数。秋から春にかけ、例年カンムリワシの交通事故が多発する傾向にあることから、ドライバーに法定速度を守ってスピードを控えることなどを呼び掛けた。
 同事務所によると、今月の死亡事故は3件。11日に石垣市宮良、25日に同伊土名、同日に同名蔵で発生した。このうち名蔵での死亡事故は、2017年12月に浜崎町の公園で衰弱しているところを保護され、今年1月にやいま村で放鳥された「アルタ」だった。

 今年の交通事故件数は9件で、うち死亡事故は8件。死亡事故の増加傾向は今年も続いており「今後、さらなる輪禍が懸念される」(同事務所)としている。環境省はチラシの配布や注意喚起などに力を入れる方針。
 同事務所は「早朝や夕暮れなどの時間帯や、見通しの悪いカーブを運転する際、カンムリワシがよく観察される道路では特に注意し、急な飛び出しがあっても事故を避けられるようにしてほしい」と要望。
 「事故当事者による通報が迅速な救護を可能にする」として、傷ついたり死んだりしたカンムリワシを見つけた場合は早急に連絡するよう呼び掛けた。連絡先は石垣自然保護官事務所℡0980-82-4768、市教委文化財課℡0980-83-7269、西表野生生物保護センター℡0980-85-5581。

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