【視点】沖縄、波乱含みの1年か

 今年も波乱含みになりそうな予感だ。米軍普天間飛行場の辺野古移設や先島への陸上自衛隊配備など、日本の安全保障に直結する問題を軸に、沖縄の進路が問われる年になる。
 玉城知事は4日に行われた県庁の仕事始め式で「多くの県民が反対の意思を示しているにもかかわらず、沖縄防衛局は違法な土砂投入を進めている」と述べ、普天間飛行場の辺野古移設阻止への決意を改めて示した。
 今年前半の大きな焦点は2月24日に予定されている「辺野古米軍基地建設のための埋め立て」を問う県民投票だ。普天間飛行場の地元である宜野湾市が不参加表明した意義は重い。宮古島市、石垣市なども県民投票を実施しない可能性が高い。
 玉城知事は、一部市町村が抜けても県民投票を強行する構えだが、そのような県民投票にどれほどの政治的インパクトがあるのか。だが、県民投票が有名無実化することになったとしても、推移を注視すべき問題であることに変わりはない。
 石垣市では島中央部の平得大俣地区への陸自配備を問う住民投票条例案が議会で審議される。多数を占める与党は住民投票実施には慎重な姿勢だが、一部で容認論があり、可決の可能性がある。市は駐屯地建設予定地の市有地を3月までに防衛省に売却する方針だが、議会が条例案を可決すれば、その前に住民投票が実施されることも考えられる。県民投票と同じく、住民投票にも法的拘束力はないが、やはり政治的インパクトは無視できない。
 県民投票にせよ住民投票にせよ、一地域の多数決が日本全体の国防に影響を及ぼしかねない状況が果たして妥当か、民主主義のあり方を考える上で、改めて論議する必要がある。

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