沖縄市の桑江朝千夫市長は7日、市役所で記者会見し、辺野古米軍基地建設のための埋め立てを問う2月の県民投票に参加しない意向を表明した。県内41市町村の首長で不参加を表明したのは宮古島、宜野湾両市に次いで3番目。沖縄市の人口は県内総人口の約1割を占める約14万人で、那覇市に次いで多い。玉城デニー知事は9日にも宮古島市を訪ね、不参加を2度表明した下地敏彦市長と会って協力を求める方針だ。
沖縄市議会は県民投票に関する予算案を2度否決した。桑江市長は不参加の理由について「(辺野古移設を)丸かバツの二者択一で市民に迫るやり方は、あまりにも乱暴だ。2度の否決は大変重い」と述べた。普天間飛行場の危険性除去に対する意思表示ができないとも指摘した。
複雑な県民の民意を示す意味で、設問の選択肢が4択であった場合は「県民投票を実施する可能性はあっただろう」との認識を示した。
桑江市長は年末年始も含め、関係者約30人と意見交換を重ねたとして「県民投票をやるべしという考えは一つもなかった」と明らかにした。
市に県民投票を実施する義務があるかについては「義務にあたらないのではないか。やらないとの判断もある」との考えを示した。
県内の自治体では、糸満、うるまの両市議会が投開票に伴う経費を盛り込んだ補正予算案を否決したが、8日に議決のやり直しを求める再議を採決する。同様の予算案を否決した石垣市は、中山義隆市長が近く参加の可否を最終判断する見通しだ。
一方、宜野湾市は県から受けた投票事務の実施の勧告に対する回答を、期限としていた7日から、延期すると県に伝えた。9日に松川正則市長が再び記者会見して態度を明らかにする。
謝花喜一郎副知事は7日、投票を推進する市民団体と面談し、あくまで全市町村での実施を目指す方針を重ねて強調した。