新聞労連は10日、宮古島市で日刊紙を発行する「宮古新報」で、80代の男性社長による社員へのセクハラ、パワハラ行為があったと明らかにした。労働組合が是正を訴えていたが、9日に「10日の業務をもって会社清算する」と通告されたという。労連は通告撤回とハラスメント行為への説明を求めている。同社は電話取材に「社長がいないのでコメントしようがない」としている。
労連によると、2010年ごろから、女性社員の体を触るセクハラや、男性社員の胸ぐらをつかむなどの行為が続いた。労組が問題視したが改善されなかったため、昨年11月に社長退任を要求。社側は社長退任と会社売却の意向を示していたが、突然、会社清算を通告してきたという。
労連の南彰中央執行委員長は東京都内で開いた記者会見で「社長が自らのハラスメントを握りつぶすかのように会社を畳もうとするのは容認できない」と述べた。新聞発行に意欲を見せる地元企業もあるといい、社長に事業譲渡の交渉につくよう求めている。
宮古新報は1968年に創業。那覇市内に支局を持ち、13年時点での自社公称部数は1万3930部。組合員数は現在13人で、社長が株式の大半を保有している。