「辺野古米軍基地建設のための埋め立て」の賛否を問う県民投票を石垣市の中山義隆市長が実施しない方針を示したことを受け「県民投票を求める石垣市民の会」共同代表の次呂久成崇拝県議、高嶺善伸元県議らが17日、市役所を訪れて抗議した。中山市長は、県民投票条例を改正し、設問の選択肢を増やすことなどを実施の条件に挙げ「県議会が動かないといけない」と県や県政与党に県民投票条例改正を求めた。次呂久県議は、石垣市が県民投票の拒否を貫く場合、損害賠償請求訴訟の提起を検討する考えを示した。
次呂久県議らは、14日に開いた集会の決議文を中山市長に提出。市議会が県民投票の予算を否決したことを「選良として恥ずべき蛮行」と糾弾し、中山市長に「市民一人ひとりの意思を県民投票で示す機会を確保してほしい」と改めて県民投票の実施を求めた。
中山市長は「県議会で(設問の選択肢を増やす)野党の修正案が出たにもかかわらず、(与党が)原案のまま可決したのが今の状態を招いた」と指摘。県議会が条例を改正し、県民投票を拒否している他の市が態度を変えるなら「実施してもいい」と述べた。
県が条例改正に慎重な姿勢を示していることについて「条例制定請求者の気持ちを抑え込んでいる。全会一致で、すっきりと県民投票ができるような改正をしてほしい」と批判した。
次呂久県議は「署名した人たちの要求が2択だった。(選択肢を増やすなら)そういう条例制定を請求すべきだ」と条例改正に否定的な考え方を示した。
中山市長は県民投票に向け、県や沖縄メディアによる一方的な情報提供が行われているとの認識も示し「この県民投票は正常な形で行われるものではない」と疑問視。県民投票に公選法を準用する条例改正も求めた。
面談後、次呂久県議は記者団に対し、市に対する損害賠償請求訴訟の原告募集も含めて今後の対応を検討すると述べた。