辺野古米軍基地建設のための埋め立てを問う県民投票をめぐり、実施に反対する政治家を批判する報道がエスカレートしている。問題視されているのは、自民党の宮崎政久衆院議員が昨年11月から12月にかけ、地方議員らが参加する複数回の勉強会で、県民投票の予算案を否決するよう求めたことだ。
これが一部で地方議員への「圧力ではないか」と報じられた。宮崎氏の法的解釈などを記したレジュメ(資料)は、県民投票つぶしの「指南書」と名付けられ、センセーショナルに取り上げられた。宮崎氏は16日、記者会見を開き「圧力をかけたことはみじんもない」と、こうした報道に反論した。
県民投票に疑問を抱く議員から質問を受け、勉強会で自らの法的解釈を示すためにレジュメを作成したという。宮崎氏は弁護士資格を持っており、議員から質問を受けるのは不自然ではない。
時系列で見れば、県民投票に反対する動きは勉強会より前の昨年10月、石垣市議会が反対意見書を可決したことが発端だ。勉強会での宮崎氏の働き掛けが直接的なきっかけになり、各市で反対の動きが始まったわけではない。むしろ自然発生的に広がった市民や市議会の反対の声に、宮崎氏が理論的な根拠を提供したと見るのが妥当だろう。
宮崎氏は会見で「私も市町村議員も有権者の負託を受けた対等の議員。それぞれの皆さんが自由に判断してください、私と違う立場に立っても不快の念を抱くことは全くないと必ず申し添えている。それが議員としての矜持(きょうじ)だ」と語気を強めた。