生産農家がゼロとなった竹富島の伝統豆「クモーマミ(小浜大豆)」を復活させようと、星のや竹富島(本多薫総支配人)が復興プロジェクトを展開している。28日、八重山農林高校(山城聡校長)から種を譲り受け、31日に同施設の畑で播種し、収穫後は豆腐作りを行う計画。竹富島の伝統的な食文化を伝承する地域貢献の一環となっている。
クモーマミは数年前まで生産者がいたものの、種子が死んでしまったことで生産が途絶えていた。同豆は豆腐やみそとして加工され、豆腐は贈答品にもなったという。
そこで、同社はクモーマミの栽培から豆腐作りまでの復興を企画。地域の農家や子どもたちと協力して栽培を進めるもので、商業利用はしない。
同社メンバーは28日、八重山農林高校を訪れ、同校から豆2袋4㌔を譲り受けた。片岡順平支配人は、「農業自体を島でやっていないので、植えて収穫するという体験がない。ぜひ、島民と豆腐を作っていきたい」と趣旨を説明。
アグリフード科の比嘉政彦教諭は、「もとは地域から頂いた大豆を栽培したもの。地域貢献できれば」と話し、協力を決意した。同校は2011年からクモーマミを栽培。肉みそなどに加工し販売している。
同校によるとクモーマミは植え付けから4~5カ月で収穫が可能。豆が小さいので収量が取れにくいという。みそにした場合は若干甘めとなる。
星のや竹富島は31日、竹富保育所の児童を招き、種植えを行う予定。その後、5月中旬ごろに収穫し、毎年6月にある同社の「集落の日」イベントで豆腐作り体験を行う。