在日の華僑が中心になり、航海の守護神である媽祖(まそ)を祀った「石垣宮媽祖廟」を石垣島の唐人墓隣に建立する計画が進んでいる。30日、地元で設立された「石垣宮媽祖廟協議会」の東郷清龍会長と、全国各地の華僑団体メンバーが市役所に中山義隆市長を訪問。「媽祖廟が建立されれば石垣島に世界各地から華僑が訪れ、観光振興にもつながる」などと協力を要請した。
東郷会長によると、媽祖廟の建立予定地は市有地約40坪。既に市から借地している。地上1階、地下1階で、外観や内装には華麗な装飾を施す。早ければ6月にも着工し、完成には2年ほどかかるという。総工費は約2億円で、今後、財源の募金活動に入る。
媽祖廟は媽祖を信仰する人たちの礼拝の場となる。石垣島に住む華僑の行事「土地公祭」も、完成後は媽祖廟での開催を予定している。
石垣宮媽祖廟協議会は地元で建立計画を推進するため、昨年12月に発足した。
この日、中山市長を訪問したのは日本国際媽祖会の曽鳳蘭(そう・ほうらん)会長や東京台湾商工協会、千葉台湾商工協会などの関係者。曽会長は「(媽祖の)信者は世界に何百万人もいる。その人たちが媽祖廟に来ることで石垣島の発展にもつながる」と期待。建立に向け、市有地の貸し付け面積を増やすことも要望した。
台湾から来島した台湾彰化市の邸建富・元市長は「台湾と石垣は距離も近い。媽祖廟の建立で交流も盛んになる」と述べた。他のメンバーからも「石垣島はハワイに似て美しい」などという声が出た。
中山市長は「とてもいい事業だ。石垣は台湾の皆さんにお世話になっている」と述べ、媽祖廟建立への協力を前向きに検討する考えを示した。