竹富町伝統的建造物群保存地区等保存審議会(池田孝之委員長)は1月31日午後、竹富島まちなみ館で行われた2019年度の第3回会議で、竹富島で温泉と併設する宿泊施設の建設計画を了承した。同計画は㈱竹富島黒潮観光(上間毅代表取締役)が事業主で、施設運営は㈱ピースアイランド(平安秀昭代表取締役)に委託される。平安代表は「今後は建築確認申請を行い、許可が下りしだい、建設を開始する。順調に行けば、年内の完成を目指す」と意欲を見せた。
審議会では央設計の下地隆生専務取締役が図面を使い施設配置などを説明。委員からは切り土や盛り土、石積みの配置位置への確認がなされ、その後、同計画が承認された。上間代表は「地域にいい施設を作り、いいお客さんに来ていただくような施設にしたい」と感謝した。
同施設は約1300平方㍍の建物に温泉棟、レストラン棟、9棟27室の宿泊施設が併設された赤瓦の平屋建てで、完成すれば日本最南端のまち竹富町での新たな温泉施設となる。
平安代表によると、17年8月に地下1000㍍の地層まで掘り終えた温泉掘削調査の結果、1億5000万年前の温泉と判明。「古代の温泉が湧き出ているというのは夢がある」と強調し、「たとえば月1回、老人会などへの無料開放も検討している。将来、温泉施設が島の宝になることを望む」とほほ笑んだ。