県民投票、全市町村で24日に 市議会、賛成多数で予算可決

市議会閉会後、報道陣の取材に応じ、県民投票実施を表明する中山市長=1日、市役所

 石垣市議会の臨時会が1日開かれ「辺野古米軍基地建設のための埋め立て」の賛否を問う県民投票の投開票事務費約1360万円を盛り込んだ一般会計補正予算案を野党などの賛成多数で可決した。これを受け中山義隆市長は閉会後、県民投票を他の市町村と同じ2月24日に実施する方針を表明。沖縄、宜野湾の2市長もこの日、実施の方針を示した。全市町村での県民投票実施が実現する。

 質疑で与党の石川勇作氏は「(当初、県民投票を拒否したことで)市役所に抗議が相当数届いて業務に支障をきたしたと聞いた」とただした。知念永一郎総務部長は、1月9日から31日までに電話212件、ファックス664件、メール84件、郵送107件の計1067件の抗議があったと報告。抗議者については「見た感じで9割以上は県外」と述べた。
 反対討論した石川氏は「県外からの抗議が多数だ。県民を置き去りにした県民投票ではないか」と疑問視。石垣亨氏は「このようなことがまかり通ると間接民主主義は大きく損なわれる」と批判した。賛成討論した野党の花谷史郎氏は「県外からの(抗議)意見が多いことが反対理由になるのか」と反論した。
 与党の友寄永三氏は、米軍普天間飛行場の移設先である辺野古区が県民投票に反対していると指摘。砥板芳行氏は、県民投票条例の制定過程に疑義を示した。
 野党の長浜信夫氏は「同じ県民として投票権を行使すべきだ」、前津究氏は「自民県連も3択の選択肢で歩み寄った」、新垣重雄氏は「埋め立て賛成か、反対かシンプルに結論を」と実施を訴えた。
 採決の結果、賛成11、反対9で、後上里厚司氏は退席した。
 12月議会で反対した与党の石垣達也氏(公明)、野党の砂川利勝氏が賛成に回った。自民党の保守系市議らは前回同様に反対した。
 中山市長は閉会後、報道陣の取材に対し「予算が可決されたので県民投票を実施する」と表明。「県民投票への疑問は払拭されていないが、県民投票条例が改正されたので市議会の判断を仰いだ」と強調した。
 市役所への抗議活動については「意見はうけたまわるが、決して抗議の電話やファックス、ハンガーストライキで市町村長が意見を変えたりすることはない。業務に支障をきたす場合もあるので、組織的な抗議活動は慎んでほしい」と要望した。

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