自民党県連は4日、常任総務会を開き、照屋守之会長の辞任を全会一致で承認した。照屋氏は県民投票条例の改正を巡り、党所属県議の足並みが乱れたことの責任を取りたいとして辞表を提出。その後辞意を撤回したが、常任総務会では続投を認めなかった。
玉城デニー県政は米軍普天間飛行場問題で政府との対立を深めており、現在の路線が続けば、今後の基地負担軽減や、沖縄振興に悪影響が出る恐れがある。県益を損ないかねない県政と対峙する「健全野党」の役割が自民党には求められるが、党内がごたごたしている現状は憂慮に堪えない。早急に混乱を収束し、照屋氏も含めた一枚岩の体制を構築してほしい。
県民投票条例の改正は「辺野古米軍基地のための埋め立て」を問う設問の選択肢に、賛否のほか「どちらでもない」を追加する内容だ。照屋氏は県議会の新里米吉議長が提示した案を受け入れ、他の党所属県議にも同調を促したが、結局、本会議で5人が反対した。常任総務会後の記者会見で島袋大幹事長は、3択受け入れが照屋氏の独断であったことを明らかにした。
県民投票条例の改正が政治的な妥協の産物でしかなく、実質的な意味は何もなかったことが改めて浮き彫りになった。