旧正月の5日、黒島東筋部落会(運道武則会長)が恒例の旧正月行事を伝統芸能館前で開催し、多くの島民や郷友会メンバーらが五穀豊穣と無病息災を祈った。大綱引きでは北と南に分かれ、約100人が力いっぱいに綱を引き合った。
同行事は午後2時過ぎ、祭りの開始を知らせるドラを鳴らしてスタートした。島民らは南北の道路沿いに分かれ、「正月ユンタ」を唄い、新年を祝った。
御嶽での祈願を終えた神司の到着後、ツナヌミンが始まり、2人の武者が迫力ある闘いを演じ、来場者から拍手が送られた。
大綱引きでは南北合わせて約100人が参加。時おり降る小雨のなか行事が行われ、参加者は熱戦を繰り広げた。竹富町の西大舛高旬町長も綱に乗って、行事を盛り上げた。歴代町長では初という。
北が勝つと豊漁、南が勝つと作物の豊作といわれる綱引きの結果、南が勝利。今年の豊作が約束された。
大綱引き後は、ミルクの神が登場。五穀の種子を手渡した。
旧正月行事の後には、祝賀会が開かれ、同部落会の書紀、稲嶺一樹さん(27)が代表あいさつ。東京国立劇場での芸能披露や、最高額172万円を叩き出した初セリなどを紹介し、「黒島の繁栄を願って邁進していこう」と呼び掛けた。
大綱引きでは綱に乗る大役を務めた稲福さんは取材に対し、「黒島に2年住んでいるが、大役を務められるのかと考えていた。緊張したが、無事に終えてよかった」と話した。
このほか、西大舛町長の来賓祝辞もあった。関係団体による鏡割りも行われ、島民や関係者らが親睦を深めた。