石垣市は旧正月の5日午後、市民会館大ホールで生年祝式典を開き、数え97歳のカジマヤー(マンダラー)のお年寄りと85歳のお年寄り合わせて370人の生年を祝った。
市内には今年、97歳が53人、85歳が317人おり、このうちの18人と140人が式典に参加。中山義隆市長は同日午前、式典に参加できない97歳のお年寄り宅2軒と施設を訪ね、計4人に頌状と記念品を手渡した。
式典ではカジマヤーの18人が中山市長から頌状と記念品を手渡され、浦崎致清さん=石垣=が代表して、市長に「あやかりの盃」を授けた。浦崎さんが誰の手も借りずに一人で舞台中央まで歩き出すと、会場からは驚きの声と拍手が起こった。
中山市長は「その豊富な知識と経験を今後とも存分に生かしていただくと共に、地域への積極的な社会参加をはじめ、生涯学習や各種活動、あるいは介護予防を通し、今後の生きがいづくりに努めていただき、本市の健康寿命をさらに延ばしていただければ」と式辞を述べた。
小・中学校の教師を務めていた登野城のカジマヤー、黒島トシさんは「私は沖縄県女子師範学校の最後の卒業生。健康の秘訣は今、ひと月、一生、明るく前向きなこと」とはっきりした口調で答え、娘の美恵子さんは「記憶がはっきり過ぎて困る」とほほ笑んだ。
祝宴として八重山民俗舞踊保存会島袋トキ子舞踊研究所が「鶴亀節」「豊穣」を披露、2018年度とぅばらーま大会チャンピオンの玉代勢秀尚さんが独唱した。