「辺野古米軍基地建設のための埋め立て」の賛否を問う県民投票が14日、告示された。24日投開票(竹富町は23日投票)。法的拘束力はないため、政府は結果にかかわらず日米同盟の抑止力維持などを理由に米軍普天間飛行場の辺野古移設工事を続ける方針だ。移設反対派は活発な投票運動を展開しており、昨年9月の知事選で移設反対の玉城デニー知事が獲得した約39万6千票を超える反対票を積み上げられるかが焦点。玉城知事は反対の「民意」を明確化させ、国に移設断念を迫りたい考え。
移設反対派は14日、那覇市や名護市での街頭活動や集会で反対への投票を呼び掛けたが、容認派は表立った活動は控えた。玉城氏は県庁で記者団に「自身の意思を直接示す重要な機会だ。ぜひ貴重な1票を投じていただきたい」と語った。
投票は、用紙に記載された「賛成」「反対」「どちらでもない」の三つの選択肢のいずれかに「○」を記入する。最も多い得票だった選択肢が投票資格者の4分の1に達したときは、知事は結果を尊重しなければならず、首相、米大統領に結果を通知する。13日現在の投票資格者数は115万6295人。4分の1は約29万票。
移設に反対する共産や社民など県政与党や市民団体は、圧倒的な反対票獲得のため告示前から、宣伝車による呼び掛けや街頭でのアピールなどの投票運動を活発化させている。
容認の自民党は自主投票で静観するほか、反対の公明党県本部も自主投票の方針。「賛成」を訴える組織的な動きは事実上存在しないため、宣伝戦では反対派が一方的に優勢となっている。
「反対」票が知事選での玉城氏の得票を上回るかどうかは、投票率にも左右されそうだ。知事選の投票率は63・24%だった。
沖縄での県民投票は1996年に米軍基地の整理・縮小と日米地位協定見直しの賛否が問われたのに次いで2回目。他に条例に基づいて都道府県単位で実施された例はない。
期日前投票は15日から23日まで、県内各地で行われる。一部の地域では同日までに投票所入場券が県民に届かないため、運転免許書や健康保険証などの身分証明書の提示で本人確認を行うことで投票できる。