24日の県民投票を巡り、県内には、米軍普天間飛行場(宜野湾市)を名護市辺野古へ移設することへの賛否が明確になるとの期待がある。一方で、実施に疑問を投げ掛ける人もいる。元県議で宮古島市に暮らす下地常政さん(86)は「県知事選で民意は示されたはず。今回の投票には意味がない」と語る。
宮古島市長は、投票実施の予算案を認めない市議会の意向を尊重。一時、不参加を表明していた。市民団体の世話人を務める下地さんは市長に、その姿勢を貫くよう求める要望書を提出した。
実施に否定的な理由に、昨年9月の知事選結果がある。辺野古移設に反対し普天間の県外移転を模索した故翁長雄志前知事の後継に当たる玉城デニー氏が、安倍晋三政権の支援を受ける候補者に8万票余りの差をつけて当選したからだ。
「移設は安全保障政策であり、国が決めること。県民投票で扱うレベルの話ではない」との思いもある。宮古島は、太平洋と東シナ海の間にある国境周辺の島。中国が軍備を増強し海洋権益も広げようとする中で「普天間問題の解決の遅れは日米同盟を揺るがし、島々の安全にも影響しうる」と懸念する。
「国が結果に従う法的義務もない。予算の無駄遣いだ」。県によると、投開票実施費用は全て県負担。総額は5億円超となる。