内閣府は19日、路線バスの乗務員を対象にした自動運転バスの体験会を豊見城市豊崎で開いた。次世代交通システムを研究・開発する「ジェイテクト」を委託企業に選定し、18日から来月7日まで、県内で大型バスを使った自動運転の実証実験が行われている。
19日は実験コースとは別に、道の駅「豊崎」と美らSUNビーチの間にある公道を自動運転バスが走行。運転席にはベテランのバス運転手が座り、自動運転を体験した。時折毎時20㍉以上の降雨があり、土砂降りの中、バスはスムーズに進み、コーナリングや停車を問題なく行った。
ジェイテクトが行っている自動運転実験は豊崎にある商業施設や、道の駅、那覇空港を結ぶ往復約18㌔で公道を使用。一般の利用者も事前登録を行うことで、無料で乗車できる。国は過去3度、沖縄で自動運転によるバス走行実験を行ってきたが、今回は以前よりも大きい大型のバスを使っている。
19日は同じ車両を使い、現役のバス運転手が自動運転を体験。ビーチと道の駅を結ぶ道路は安全性などを考慮し運転手がハンドルを握るが、その他の道路ではバスが自動で進んだ。ハンドル操作やブレーキ、発進などは人の手を借りずに行われ、ドライバーはウインカーを出す操作のみを行った。
バスは車載された複数のカメラやGPS、センサーなどでコントロールされ、走行した。同日のような大雨の場合、前方カメラが機能しない可能性もあり、GPSで現状を認識する。また、クラウドを使い、信号情報を認識するシステムも実装されており、活用された。
体験したドライバーからは、「慣れれば楽になる」など高評価が相次いだ。カーブが急なため「曲がる際に大回りになる」「曲がり方が段階的でスムーズではない」などの指摘も。
自動運転を体験した第一交通産業グループの取締役・上地清部長は「自動や手動の切り換えやバス停からの発進もスムーズだ」と述べ、自動運転の有効性を指摘した。