石垣市は22日、福島県小野町と特産品開発や六次産業化で連携することを盛り込んだ「特産品交流による地域づくり(産官学)協定」の締結式を市商工会館で開き、両市町の行政や産業関係者らが参加した。市の経済大使(ゆばなうれ大使)で東京農大名誉教授の小泉武夫氏が同町出身で、協定締結を橋渡しした。両市町は今後、小泉氏の助言を受けながら、それぞれの資源を生かした地域振興の取り組みを共同で進める。
石垣市の県立八重山農林高校と小野町の県立小野高校は、小泉氏の紹介で2016年に友好協定を締結した。小野町の生徒が八重農のイベント「八重農市」に参加して自校の製品を販売するなど、一定の交流実績を残してきた。
協定締結式で大和田昭町長は「学校間の交流を発展し、産官学の連携に拡大させた」と協定締結の経緯を紹介。中山義隆市長は「連携を通した特産品開発の促進を期待している」とあいさつした。
小泉氏は「東アジアに浮かぶエメラルドグリーンの石垣島が、東北の清流が流れる小野町と一体になった。夢と希望が持てる素晴らしいことだ」と述べた。
八重農郷土芸能部が祝いの演舞を披露した。
協定書では、両高校や両市町で事業を行う民間事業者などの産官学の交流、連携に参画し、活動の支援に努めることを申し合わせた。
今後、小野町の素材を使って石垣市の業者が商品開発したり、その逆の連携パターンなどが想定されている。共同で特産品の開発・販売に取り組む可能性もある。