きょう24日投開票の「辺野古米軍基地建設のための埋め立て」を問う県民投票に対しては、保守系の市長が在任する5市が一時、不参加を表明するなど、保守層を中心に強い反発がある。埋め立て反対が多数を占めることが確実視される中、米軍普天間飛行場(宜野湾市)を巡る問題が「置き去り」にされることを警戒しているためだ。
宜野湾市議会が可決した県民投票に反対する意見書では、県民投票条例について「宜野湾市のど真ん中にある普天間飛行場の危険性の除去については全く明記されておらず、宜野湾市民が置き去りにされている」と指摘した。
普天間飛行場の辺野古移設を巡っては、政府が「宜野湾市民の危険除去が原点」としているのに対し、県や反対派は「辺野古への新基地建設であり、負担軽減にはならない」と主張する。双方の議論が噛み合わない現状だ。
県内では、県民投票や辺野古移設に関する議論は反対派のペースで進んでいる。容認派の間では、県民投票の結果、県内外に「辺野古埋め立て反対」だけがクローズアップされ、普天間飛行場の危険除去が忘れ去られかねないとの危機感がある。
県は辺野古沿岸の埋め立て承認を撤回し、今後、国との法廷闘争に突入する見通し。県民投票で埋め立て反対多数の結果が出た場合、県に有利な材料として提出される可能性が高い。石垣市議会は意見書で県民投票を「一定の政治的主義主張を公費を使用して訴えるもの」と批判した。