政府は、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡る県民投票が反対過半数の結果になったものの、移設推進方針を堅持する。ただ賛成を大きく上回る反対票の重みを踏まえ、県側へのさらに丁寧な説明に努める。安倍晋三首相は、玉城デニー知事が希望すれば週内にも会談に応じる方向で調整に入った。普天間の危険性を除去するためにも「辺野古移設以外の解決策はない」(首相周辺)として、理解を求める考えだ。
政府はこれまで、普天間飛行場は全面返還され、辺野古に移転するのは基地機能の一部だけで、普天間よりも危険性や騒音被害は大幅に減ると訴えてきた。
それでも理解は広がっておらず、官邸幹部は「これ以上、説明しようがない」と困惑する。最近は「原点は『世界一危険』と言われる普天間飛行場の危険除去だ」(菅義偉官房長官)と、固定化回避の重要性に力点を置いている。
首相は昨年10月の知事就任後と、11月に相次いで玉城氏と会談している。今回の会談が実現すればそれ以来となる。今年4月の統一地方選や衆院沖縄3区補欠選挙、夏の参院選を控え「県民の気持ちに寄り添う」(首相)姿勢をアピールする狙いがある。ただ、玉城氏が納得する可能性は極めて低く、対立が続くのは必至だ。