石垣島への陸上自衛隊配備に向け、防衛省沖縄防衛局は2月28日、平得大俣地区で駐屯地建設の用地造成工事を進めた。「石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会」は1日、建設地の旧ゴルフ場(ジュマールゴルフガーデン)入口で抗議集会を開き、約100人が参加。「ミサイル基地工事強行に満腔(まんこう)の怒りを込めて強く抗議する」と工事中止を求める声明を採択した。
2月28日には仮設安全策や土のうの設置が始まり、今月1日以降は土地の掘削工事、舗装工事などが予定されている。沖縄防衛局は「掘削などの具体的な開始日は決まっていない」としている。
1日には旧ゴルフ場の奥で、土の掘削に使うバックホウのような建設機械が動いているのが確認された。反対派の集会の途中にも、ドリルのような建設機械の音が聞こえた。
用地造成工事は昨年12月以降、計6件の契約業者が決まっている。工期は来年12月まで。防衛局は今後、市有地など旧ゴルフ場以外の残る建設予定地の取得作業に入る。
1日に開かれた市民連絡会の集会には周辺4地区の住民など反対派が集結。開南公民館の小林丙次館長は「若者たちにこの素晴らしい島を残してあげたい。基地なんか絶対要らない。最後まであきらめない」と声を詰まらせた。
沖縄本島から駆けつけた沖縄平和運動センターの山城博治議長は「米朝が平和への努力をしているのに、なぜ日本と中国が戦争の準備をするのか」と訴えた。
リレートークで参加者が次々とマイクを握り「軍事基地がなくても、隣の国と平和に仲良く暮らしてきた。無抵抗、不服従が一番だ」「国が先頭に立って環境破壊をしている」「市長が真っ先に抗議すべきだ」などと陸自配備を批判した。「基地は造らせない」「標的の島にするな」などとシュプレヒコールを繰り返した。