2017年12月7日に米軍機の部品と思われる物体が緑ケ丘保育園(宜野湾市)で見つかった事案で、沖縄防衛局は1日、担当職員を同園に派遣して調査状況を報告した。報告内容に園長の神谷武宏氏は「何も変わってない。なぜ1年も過ぎた今ごろ来たのか、疑問だ」と述べ、不満をあらわにし、再度の現場調査を求めるとともに米軍に対して園の上空飛行を禁ずることを要請する文書を担当職員に手渡した。
事案は普天間基地所属の大型ヘリ「CH53」が上空を通過後、同型機の部品と思われる物体が園内で見つかったことで発覚した。当時、米軍は部品を基地内で保管していたと主張。県と防衛局には「普天間機は飛行中に落としていない」と説明していた。
18年6月の県議会で、県警の筒井洋樹本部長は部品について「米軍機からの落下物か否かについて確認できていない」「現時点で刑罰法令に該当する事実は確認されていない」と述べていた。
要請内容は➀再度の現場検証➁米軍への飛行ルート順守の要望➂調査状況と米軍との交渉内容の提出➃米軍機の飛行航跡結果の公開➄園に職員を派遣し実情把握―の計5項目。
神谷氏は普天間機の飛行頻度が1年前よりも増加しているとし、園児らの命が危険にさらされていると危惧。「国防のために米軍との約束が大事なら、私たちの命をさらしてしてやるのは論外だ。論点は国民の命だ」と語気を強め、「政府は現状に向き合ってほしい」と訴えた。