元沖縄担当相の島尻安伊子氏(53)は2日、県知事に転出した玉城デニー氏の衆院議員失職に伴う4月21日投開票の衆院沖縄3区補欠選挙に、自民党公認で立候補すると正式に表明した。「沖縄全体の発展に必須な中部の再活性化を進めていく。鉄軌道や北部の医療体制を強化し、地元負担なしの基幹病院の設立を必ず成し遂げたい」と中北部地域振興の推進を強調した。
沖縄市で建設中の1万人アリーナの完成が「周辺の再活性化の中核になる」と支援を表明。東海岸泡瀬の東部海浜開発事業の基本計画策定も進める考えを示した。中城湾港の整備も進め、うるま市には現在以上にクルーズ船が寄港可能な拠点を設ける方針。県が目指す本島北部地域などの世界自然遺産登録は「関係者と連携し万全の体制で臨む」と述べた。
次期振興計画について「自立した沖縄の実現を確実なものにするには、この数年の沖縄の取り組みが非常に重要」と述べ、政府とのパイプを生かした沖縄振興に意欲を示した。
基地問題については「争点の1つ」と述べたが、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の辺野古移設への考えは「政策発表で述べる」と明言しなかった。一方で「普天間の危険性除去のため、固定化を避けなければならない。SACO合意の実施が、現時点で現実的な解決策だ」と述べた。
玉城県政に対し「国との間に溝がある。埋める努力をしないと、沖縄の発展は思い通りに進めない」と懸念を示した。
出馬会見には沖縄市の桑江朝千夫市長、うるま市の島袋俊夫市長、名護市の渡具知武豊市長が同席した。桑江氏は選対本部長に就任する。
島尻氏は仙台市出身。那覇市議を経て2007年に参院補選で初当選した。10年に再選されたが、沖縄担当相だった16年に落選。同年から今年1月まで沖縄担当相補佐官を務めた。
自由党は同党に所属した玉城氏の後継として、辺野古移設反対の新人でフリージャーナリストの屋良朝博氏(56)を擁立。野党統一候補とするよう呼び掛けている。弁護士の瑞慶山茂氏(75)も立候補を表明している。