2月24日に投開票された「辺野古米軍基地建設のための埋め立て」の賛否を問う県民投票に、中国メディアが高い関心を示している。中国国営テレビは投開票翌日のニュースで、宜野湾市や名護市からの現地レポートも交え、米軍基地問題に揺れる沖縄の現状を詳報。中国が、在沖米軍基地を巡る情勢を自国の安全保障に直結する問題として注視していることがうかがえる。
中国国営テレビの2月25日のニュース番組では、県民投票の結果、投票率が50%を超え「反対」が7割に達したと報じた。「日本の0・6%の面積の沖縄に、7割以上の米軍基地が集中している」と解説した。
現地レポートで中国国営放送の記者のインタビューに答えた女性は、沖縄の現状を「不条理だ」と話した。糸数慶子参院議員は県民投票の意義について「安倍晋三首相に、辺野古はだめだと訴える。分断されることなく県民の心を一つにして、平和できれいな海を守る」と強調した。ナレーションは「政府は辺野古移設を日米同盟の抑止力のために進めるが、県民投票の結果はプレッシャーになる」と分析した。
宜野湾市にある米軍普天間飛行場の様子も紹介され、同飛行場の被害を訴える市民2人のインタビューが放送された。中国人記者が名護市の辺野古周辺で取材する様子も紹介された。
同番組は3月2日には、続報として玉城デニー知事と安倍首相が会談したことも伝えた。
中国国営テレビの県民投票や米軍基地問題に関するニュースはおおむね、日本の主要メディアが報じる内容を参考にしていると見られ「米軍基地問題に苦しむ沖縄県民」という視点を意識したものになっている。