住民投票 与党が態度硬化 野党「審議不十分」発言に反発 石垣市議会

記者会見で、野党市議の発言を批判する砥板氏(中央)ら=5日午後、市議会与党控室

 2月に石垣市議会で否決された石垣島平得大俣地区への陸上自衛隊配備計画を問う住民投票条例案を巡り、野党市議が「審議が不十分だった」などと発言していることに、与党が反発している。開会中の3月議会には野党が住民投票条例案を議員発議で提案し、多数を占める与党に協力を要請。しかし野党側の発言で与党は態度を硬化させており、同条例の可決は困難さを増しそうだ。
 与党会派「自由民主石垣」(砥板芳行会派長)は5日記者会見し、2月の市議会で、住民が制定を直接請求した住民投票条例案の審議に野党が応じなかったと説明、「野党は前段を何ら説明せずに発言しており、事実と異なる。審議不足という言葉が独り歩きしている」(砥板市議)と指摘した。

 当時、住民条例案を付託された総務財政委員会では、与党が新たな参考人の招致などを提案し、審議を深めるよう要求。しかし野党は、辺野古県民投票と住民投票の同時実施を目指して審議打ち切りを要求し、早期の採決に持ち込まれた経緯がある。
 4日の議会運営委員会で、総務財政委の副委員長でもある野党の花谷史郎氏は、2月に条例案が否決された理由について「内容の十分な審議がされていないという意見が数多くあった」と述べた。
 これに対し、総務財政委員長でもある砥板氏は、当時の事情を知る花谷氏の発言を問題視。「審議されなかったのではなく(与野党の)歩み寄りがなかったので結論に至った。審議されなかったという表現は訂正してほしい」と求めた。
 総務財政委で審議に加わっていた石垣亨氏も5日の会見で「野党が結論を急いでいたのに、こちら(与党)に非があるように表現されるのは遺憾だ」と批判した。
 5日の総務財政委では、砥板氏が花谷氏の発言に抗議し、冒頭から欠席。平良秀之議長が仲介に入って両者が別室で話し合い、今後の野党側の対応に関して議長に一任した。これを受け、砥板氏は総務財政委に戻った。
 野党との溝が深まっている現状を受け、与党は18日の最終本会議で、住民投票条例案を否決する方針で臨む可能性が高い。砥板氏は会見で「なぜ条例案が否決されたのかという総括がないまま、再度、条例案が提案されている感が強い」と述べ、野党が提案した住民投票を受け入れない考えをにじませた。

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