竹富島のリゾート開発計画である「竹富島コンドイリゾート事業計画(仮称)」の反対を訴える島民の団体・竹富島を守る会(阿佐伊拓会長)と竹富公民館(上勢頭篤館長)ら関係者は5日、県庁で記者会見し、開発計画で島民生活が悪影響を受けるとし、県に環境基本条例に基づいた措置と指導を事業者に行うよう陳情したことを報告した。
陳情書を手渡した後、記者クラブで会見した関係者らは、島内でリゾート開発計画に反対する反対決議が公民館の定期総会で出され、島民からも理解が得られていないとして中止を訴えた。
那覇に本社を置くRJエステートが計画するリゾートホテル建設計画で、県は2017年1月に開発許可を出しているが、守る会や公民館側は許可について問題視。島民が一丸となって守ってきた生活環境や島の自然環境などへの悪影響を懸念し、住民総意で策定し景観保全の根拠にもなっている「竹富島憲章」も示し、開発は認められないとしている。
会見で関係者らは、竹富島が観光名所となったことで年間に多くの観光客が訪れ、島民生活には既に影響が出ていると強調。その状況で、新たなリゾート開発が行われるとさらに生活環境が悪化すると訴えた。
現在、関係者らは町長を通し事業者側に対話を要請しているが実現しておらず、今後、事業者への陳情についても住民間で相談する予定だ。
守る会の阿佐伊会長は「島は先祖からの預かり物だ。町並みや祭事などが受け継がれている。正念場だと思う。試練だ」と強調。先人の残したものを守るための努力だとし、理解を求めた。