八重山商工高校出身で、日本体育大学3年の川原壯太選手(21)が、山口県岩国市総合体育館で2月16日、17日に開催された「第28回全日本室内アーチェリー選手権大会」のリカーブ男子の部で優勝し、日本一に輝いた。川原選手が現在所属する、同大学友会アーチェリー部の藤本浩総監督によると、全日本での優勝者が沖縄県内から出るのは初めてという。
川原選手は、「石垣から日本一の選手が出たということを、八重山のアーチェリーの発展につなげたい。これをきっかけに、『アーチェリーをやってみたい』という人が増え、アーチェリーの射場などの施設が整ったらうれしい」と笑顔で語った。
アーチェリーと出合ったのは、故郷・八重山。同部は9年前から石垣島で合宿を始めており、2年目の合宿からは無料の体験教室を開いていた。高校2年の時に体験教室で初めてアーチェリーに触れ、そのままのめり込んだ。
八商工にはアーチェリー部がなかったため、自分一人で部活を作り、同大OBで、八重山アーチェリー協会の山田陽介さんと、石垣市在住の藤本総監督の指導の下、練習を重ねた。
高校3年生の時には、奈良県橿原市で開かれた全国高校総合体育大会アーチェリー競技大会で、八重山勢として初めて5位入賞を果たしている。
今回の勝因を「日体大の環境を通じて、実力がついたこと」と語る川原選手は、「全日本には昨年初めて出場したが予選落ち。その挽回がしたかった。しっかりと成果が残せ、タイトルが獲れたのはうれしい」と喜びを語り、今後は「実業団に入り、全日本の社会人部門で実績を残しながら、オリンピックを狙う」と意気込んだ。
同大学友会アーチェリー部(部員48人)は5日夕に石垣島に到着。6日から13日までサッカーパークあかんまで合宿を行っており、川原選手も参加している。