竹富島のいんのた会(藤井幸吉会長)はこのほど、島の北側の海岸線を中心に、海浜清掃を行った。地域住民や中学生、石垣島からは郷友会メンバーも加わり、約20人が2時間かけてトン袋9袋もの大量の漂着ごみを回収した。
ペットボトルをはじめ発泡スチロールやビニール袋など、プラスチック系のごみが非常に多く、八重山の海のプラスチック汚染が懸念される。ほとんどが漂流物と思われ、中には中国語の簡体字や繁体字、ハングル表記のものもあった。ビンや電球のような危険物や、漁具や釣り具、さらにタイヤのような大型ゴミまであった。どれもこれも島民にとって迷惑極まりない「やっかいなごみ」ばかりだ。
この日は晴天、エメラルドの海にうっとりするが、足下はこのありさま。作業の最中に、海ガメの死骸を発見するが、これだけのごみの量を考えると、ビニール袋のようなごみを食べて窒息したのだろうかと、疑ってしまう。生態系への悪影響は間違いなくあるだろう。
藤井会長は「予想以上のごみの量だった。他の場所や他の島でも大変かもしれない」と心配した。地域住民がごみを減らす意識を高めていくことは当然だが、これだけの漂流ごみに対処するには、国が対策を強化し、国際的な取り組みも早急に進めていく必要があるだろう。
(隅田賢通信員)