【金波銀波】「辺野古米軍基地建設のための埋め立て」の…

 「辺野古米軍基地建設のための埋め立て」の賛否を問う県民投票から約2週間。「反対が7割超を占めた」という結果だけ喧伝され、県民の複雑な民意に光を当てた総括がされていないようだ◆一番の問題は、知事選より約11ポイントも下がった約52%の投票率。当初、不参加を表明した5市はいずれも県全体より低く、3市に至っては50%を割り込んだ。あれほど吹き荒れた「市民の投票権を奪うな」という激しい反発の声は何だったのか、拍子抜けしてしまう◆辺野古移設に関心が低いわけではなく、棄権という「消極的抵抗」を選んだ容認派が相当数いたのではないか。今さらながら、微妙な県民の心情をくみ取れない県民投票であったことが浮き彫りになっている◆自民党の県議からは「反対」票は有権者の4割にも満たないという指摘があり、基地反対派から「投票結果の矮(わい)小化」などと激しい批判を浴びた。しかし県民投票は、候補者の勝敗が決まれば終わる通常の選挙とは違う。さまざまな数字から民意を推し量るために実施されたはずで、賛否の票数や割合だけを語るなら、メディアの世論調査やアンケートと何の違いもない◆反対派の「勝利」だけで終わっていいのか。投票結果を単純化する風潮には賛同できない。

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