リスクを取って果敢に挑戦し、結果として失敗した人を、安全地帯にいて何もしなかった人たちが「お前はしくじった」と言って非難する。そんな見苦しい光景が、民進党両院議員総会で繰り広げられた◆希望の党との合流計画を進めたが、政権奪取できなかった前原誠司代表(当時)。「即刻辞任すべきだ」「国民は前原氏を嘘つきだと思っている」。党所属議員たちに容赦なく責めたてられ、前原氏は「これまでの経緯を説明したら、言い訳にしか聞こえないかも知れない」と責任を認めて辞意表明した◆政治は結果がすべて。前原氏の浅慮は否定できないが、批判する資格があるのは有権者であり、政権を託されるに足る政党を作り上げてこなかった議員たちではない◆新党結成という一世一代の賭けに出た小池百合子東京都知事、その賭けに乗った前原氏。勝敗はともかく、政治家としての決断力には評価すべきものがある◆一方、勝者でありながら罵倒され続ける政治家も。「自公の勝利は選挙制度が悪い」「野党が自滅したから勝てた。首相への信任ではない」。新聞やテレビは、このたぐいの論評であふれている。特に沖縄で甚だしい。そんな中、誰もが褒めるのは「漁夫の利」を得たに過ぎない立憲民主党の枝野幸男代表。妙なものだ。