日本ウイグル連盟会長で、東トルキスタン独立運動組織のトゥール・ムハメット議長は10日、那覇市内で講演した。中国・新疆ウイグル自治区(東トルキスタン)内のウイグル人は中華人民共和国の建国以来、弾圧されているとし、「文化大革命や大躍進などでウイグル人は殺されている。現在では強制収容所があり、国外に住むウイグル人の家族の多くは収容所に入れられた」と訴えた。「娘とは昨年2月から連絡が取れない」と述べた。
トゥール氏は、ウイグルの歴史や文化、人種、宗教などを紹介。中国の収容所でウイグル人は満足な食事や睡眠を得られず、持病のある人が死ぬケースもあると説明した。「世界で最悪なことを中国当局はやっている」と批判し、日本のメディアは正しく報じていないと反省を求めた。
収容所については「ナチスと同じ。調べたら収容者は300万人だった。米国のペンス副大統領も声明を出している」と話した。その上で、中国は太平洋進出を目論み対外拡張を進めていると分析し「沖縄は安全ではない。人民解放軍が入ってきたら、(県民は)中国本土の強制収容所に入れられる」などと持論を展開した。
さらに中国政府はウイグルに地下資源があるため、そこでの支配体制が有利になるよう強権的な施策を実行したと主張。ウイグル人が信仰するイスラム教だけでなく、他の宗教にも弾圧を加えているとした。
日本政府の政策も批判し、法律改正で日本に移民する中国人が増えると話し、「中国人は民主主義的な教育を受けてない。日本を憎むような教育しかされてない」と指摘。安倍政権の対中関係強化を問題視し「対中外交がゆがんでいると思う。中国は日本に何を与えてくれるのか」とし、中国との関係強化はメリットがないと断言した。