12日の石垣市議会一般質問で、中山義隆市長は米軍普天間飛行場の辺野古移設問題を問われ、移設に反対する玉城デニー知事が国に対案を示すべきとの考えを示した。
中山市長は辺野古県民投票の結果を受けた県紙のアンケートなどで「単純に埋め立て反対、普天間飛行場の即時閉鎖だけでは打開策にならない。県も対案を示すべき」と回答した。一般質問で前津究氏は「国が県民投票の結果を受けて県に代替案を出すべきではないか」と市長の主張を疑問視した。
中山市長は、1995年の米兵による少女暴行事件に触れ「県が国に普天間飛行場を返してくれと話した中で、辺野古の移設案が出た。それをやめろというなら、県側が普天間をどうするのか言わないと話が進まない」と指摘。「辺野古を止めろと言うなら、普天間を返さなくてもいいという代替案を出せるかだ」と玉城知事を批判した。
前津氏は「普天間の早期閉鎖を言うなら、政府は米国と、辺野古に基地を造った暁(あかつき)には普天間を返還するという担保を取ったのか」と追及。中山市長は「知事が今回の県民投票を受けて、普天間の移設を確約してほしいと政府に言うべきだ。(辺野古の埋め立て後に)普天間を返さないなら、県民、国民が認めない」と述べた。
前津氏は、辺野古移設反対の活動家が石垣島への陸上自衛隊配備に抗議するため来島したことに対し、市長が「市民が混乱する」と発言した地元紙のインタビューを取り上げ「混乱の原因をつくったのはあなただ」と追及。「活動家が島外から来ようが、米国から来ようが、憲法で保障されている」と批判した。
中山市長は「辺野古の反対運動をしている人に、自衛隊配備の反対運動を扇動するために来てほしくないのが率直な感想だ。地元の人が混乱すると考えるのが普通だ」と反論した。