竹富町が改正竹富町自然環境保護条例の執行体制を、最短で次年度4月に確立する方向で調整している。今後、同町は野生動植物保護推進員を町内で7人選任。同推進員が動植物の違法採集に関する情報をまとめ、警察に通報することも職能として可能。不法採取から自然を守る基本的な体制構築が図られることになる。
野生動植物推進員に関しては竹富町議会の議案審議で言及された。大久研一氏は推進員の人数と、選任方法を確認した。
政策推進課の通事太一郎課長は、竹富、黒島、西表、小浜、波照間の5島に7人選任する計画を紹介。西表は3人で他島は1人。鳩間島は西表の推進員が兼任する。選任は野生動植物の知識を持つ者を町長が選任する。推進員の月額は8千円。
推進員の主な業務は、生物多様性の保全や自然環境保護条例の周知、野生動植物に関する啓発活動がある。その一方、違法採集者の情報をまとめ、警察に通報することも職能としてある。
通事課長は取材に対し、「不法採取に関する要望があるので、その抑止力にもなれば」と期待を寄せた。
竹富町自然環境保護条例は2017年4月に改正施行。罰則規定を盛り込んだもので、罰則は最大で2年以下の懲役か100万円以下の罰金。対象は▽希少野生動植物保護区域内での行為規制違反▽指定外来生物の個体の取り扱いに関する規則違反―などがある。