玉城デニー知事は14日、県庁で共同通信のインタビューに応じ、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡る問題について、国際社会への訴えを強化する考えを示した。対話の姿勢が見られないとして移設工事を続ける政府を批判した上で「われわれの主張は世界に発信し、理解を求めていく」と述べた。
埋め立て予定海域の軟弱地盤の改良については「不可能だ」とし、国が今後申請する設計変更の承認には否定的な認識を示した。
辺野古沿岸部の埋め立てに「反対」が7割超を占めた2月の県民投票について「辺野古移設反対の民意がはっきりした」とし、「工事を続ける態度は国際社会からどう見られているか、政府は真摯(しんし)に考えるべきだ」と指摘した。「普遍的な民主主義の価値観を共有しなければ、厳しい対応を迫られることもあるのではないか」とも語った。
最深部が海面から約90メートルに達する軟弱地盤の改良工事について、岩屋毅防衛相が約70メートルまでの工事で対応が可能だと主張していることには「70メートルの施工実績しかなく、信ぴょう性に疑義を挟まざるを得ない」とした。防衛省が3年8カ月かかると試算する改良工事で予算も膨らむと説明し「普天間は県外、国外移転を求める」と重ねて強調した。
移設阻止に向けた対抗手段として、土砂採取の規制を強化するための県土保全条例改正や、防衛省による移植が必要なサンゴの特別採捕許可申請への判断などを挙げた。同時に「埋め立て工事が中断され、県と政府で話し合いの環境が整えば不要な法廷闘争には入らない」とも述べた。対話を求める姿勢は維持し、日米両政府と県による協議を求める考えも示した。