政府、県、那覇市が主催した「北朝鮮による拉致問題を考える国民の集い」が24日、同市の沖縄青年会館で開かれた。沖縄では初開催。拉致被害者・横田めぐみさんの弟で、家族連絡会の横田拓也事務局長は「すべての拉致被害者を即時一括帰国させる一点で、一枚岩になってほしい」と世論の後押しを求めた。
菅義偉官房長官は、米国との連携を強化する考えを示した上で「拉致問題を解決し、国交正常化を目指す決意に変わりはない。まさに正念場だ。ありとあらゆるチャンスを逃さず、全力で果敢に行動する」と拉致問題解決への決意を重ねて示した。
北朝鮮の拉致事件を巡っては、横田めぐみさんのように政府が認定した拉致被害者だけでなく、沖縄から33人の拉致被害が疑われる行方不明者がいる。
兄の金武川榮輝さんが拉致された可能性がある政司さんは「北による拉致の可能性があるが、国からは認定されていない」と訴え、協力を求めた。兄の濱端俊和さんが拉致された可能性がある俊明さんは「母も高齢で、兄も今年で60歳になる。救出したい」と呼び掛けた。
北朝鮮に拉致された可能性が濃厚な米蔵武男さんの弟・一正さんは、自身も北朝鮮の関係者と思われる人物に日本国内で誘い出された経験があるとして「今から考えるとそれが拉致だった」と振り返った。
救う会の西岡力会長は講演で、80年代後半に、既に北朝鮮による日本人拉致の可能性は疑われていたが、マスコミが報じなかったと指摘した。