米軍普天間飛行場の辺野古移設に向け、新たな区域での土砂投入が始まったことを受け「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」(現地闘争部会)は25日午後、辺野古の松田ヌ浜で抗議集会を開催した。沖縄平和運動センターの山城博治議長やヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表らが辺野古移設の不当性を訴え「まだ止められる。諦めない」と拳を突き上げた。地元住民からは地域振興の観点で、移設工事の進ちょくを歓迎する声もあった。
投入が始まったのは午後3時ごろ。ダンプカーが荷台を大きく傾けて降ろした茶色の土砂を、ブルドーザーが護岸で囲まれた海へ一気に押し込む。雨の中、カヌーや小型船で海上に出た移設反対派は、波にもまれながら「サンゴを殺すな」などと書いたプラカードを掲げて工事中断を訴えた。
抗議集会に参加した男性は「朝鮮半島情勢が変化し、軍事施設は不要」と述べ、北朝鮮と韓国の国境にある非武装地帯での抗議集会にも参加し、朝鮮戦争の終結と辺野古移設阻止を訴える考えを示した。
山城氏は「我々は負けない。県民は屈しない」と宣言。「埋め立てを許さない」などのシュプレヒコールを繰り返した。
条件付きで移設を容認する辺野古地区は、ひっそりとした様子。住民の玉利栄次郎さん(82)は「移設が進めば米軍基地に人が増え、街の活性化にもつながる。土砂投入は願ってもない話だ」と、政府の方針を評価した。