防衛省は26日、宮古島と鹿児島県・奄美大島に新たに陸上自衛隊の駐屯地を開設した。奄美大島に警備部隊と地対空・地対艦ミサイル部隊を、宮古島には警備部隊を配備した。海洋進出を強める中国を念頭に置いた南西諸島防衛強化の一環。岩屋毅防衛相は同日、記者会見で「日本の守りの最前線は南西地域。防衛力、抑止力を構築し、災害時にも迅速に対処できる」と述べた。
防衛省は奄美大島北部に奄美駐屯地、南部に瀬戸内分屯地を設け、計約550人を配置。宮古島には約380人態勢の警備部隊を先行配備した。2020年以降にミサイル部隊も置き、計700~800人態勢にする。石垣島でも計500~600人規模のミサイル部隊と警備部隊の配備に向け工事に着手している。
鹿児島県から日本最西端の与那国島まで千㌔以上に及ぶ南西諸島では、陸自部隊の配備は、沖縄本島と2016年に沿岸監視隊(約160人態勢)が発足した与那国島にとどまり、防衛力整備の「空白」と指摘されていた。
宮古島市にある駐屯地で開かれた部隊編成完結式で訓示した陸上自衛隊第15旅団長の原田智総陸将補は「宮古列島の防衛は極めて重要。わが国の安全保障に死活的な任務を担うこととなる」と隊員を激励した。宮古島市の下地敏彦市長らも出席した。