住民投票 与野党が平行線 4月中に結論も 特別委初会合 石垣市議会

陸自配備の賛否を問う住民投票条例案を審議する特別委員会の初会合が開かれた=29日午前、市役所

 石垣島平得大俣地区への陸上自衛隊配備を問う住民投票を審議する石垣市議会の特別委員会(委員長・長山家康市議)は29日、市役所で初会合を開いた。「住民投票は必要ない」とする与党側と、条例案の実質的な審議に入るよう求める野党側の意見が噛み合わず、議論は平行線に終わった。長山委員長は、遅くとも5月の連休ごろには結論を出す考えを示したが、議論に進展がなければ、4月中にも採決が行われる可能性がある。

 「平得大俣への陸上自衛隊駐屯地配備に関する特別委員会」は与野党10人で構成。初会合で与党の我喜屋隆次氏は、住民投票が平得大俣地区への陸自配備に限定して賛否を問うていることに疑問を呈し「別の地域に配備が決まったら、またそこについて住民投票をやるのか」と批判。「各種選挙で結果は出た。(住民投票は)要らないと思う」と述べた。
 与党の砥板芳行氏も「7月の参院選で自衛隊配備は当然争点になる。住民投票は必要ないのではないか」と述べた。条例案で、市長に情報提供の義務が定められていることについて「陸自配備は国全体の安全保障に関わる。市長の権能が及ばないことについて、市長が公平、公正に情報提供できるのか」とも指摘した。
 条例提案者の1人である野党の花谷史郎氏は「住民の意見を吸い上げて、しっかり国に伝えることは必要だ」と反論。野党の宮良操氏は、住民投票を求める1万4千人余の署名が集まったことを強調し「主権者である市民の意見を真摯に受け止めてほしい。市民の意見を聞くのが、そんなにいけないことなのか」と訴えた。
 住民投票の必要性に関する「入口論」で議論が停滞したため、宮良氏は「今のような議論をすると時間的に難しくなる」と、条例案の内容の審議に入るよう求めたが、我喜屋氏は「入口から話をしないと先に進まない」と応じなかった。
 花谷氏は、住民投票の結果を「民意」と呼ぶために必要な投票率について「40%前後が最低ライン」との見方を示した。

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