4月9日告示、同21日投開票の衆院3区補選は投開票まで3週間に迫った。ともに新人で、元沖縄担当相の島尻安伊子氏(54)=自民公認、公明推薦=、フリージャーナリストの屋良朝博氏(56)による事実上の一騎打ちになる見通し。両陣営とも沖縄本島中北部の各地で総決起大会や事務所開きを行い、選挙ムードが徐々に盛り上がりつつある。米軍普天間飛行場移設問題や、沖縄振興策などが争点になる。
補選は玉城デニー知事の知事選出馬に伴い実施される。3区は普天間飛行場の移設先である名護市を抱えているが、普天間飛行場の辺野古移設を巡っては、島尻氏が宜野湾市民の危険性除去を最優先して容認する方針。屋良氏は同飛行場の無条件撤去を求め、辺野古移設に反対している。
沖縄振興策では、屋良氏が輸送コスト低減や1国2制度の導入など、島尻氏が本島中北部と南部の格差解消や新たな沖縄振興特別措置法の策定などを掲げた。
閣僚や大臣補佐官を歴任した島尻氏は、安倍政権との強固なパイプを活用して各種振興策を進める。県紙「沖縄タイムス」社会部長や大学非常勤講師などを務めた屋良氏は、基地問題などに関する精緻な理論武装で玉城県政と共闘する。
昨年の知事選同様、保守中道勢力対革新リベラル勢力の全面対決という構図となる。島尻陣営は今後、維新も加えた3党の選挙協力体制を構築したい考えで、屋良陣営は共産、社民などの国政野党や労組の支援を受ける。
選挙結果は、同様の対決の構図となる夏の参院選にも影響を与える。辺野古移設を巡る県民投票後の世論を占う指標にもなりそうだ。